2025年6月3日

もう吠えない！愛犬が留守番中に安心して過ごすための3つの工夫

「留守中に愛犬がずっと吠えている」「ご近所からクレームが…」

そんな悩みを抱える飼い主さんは少なくありません。留守番時の吠えは、犬にとってストレスのサインです。放っておくと愛犬の心にも身体にも悪影響を及ぼす恐れがあります。

今回は、愛犬がひとりでも安心してお留守番できるようにするための、実践的な3つの工夫を紹介します。環境作り、習慣作り、しつけの観点から、すぐに実践できるヒントをお届けします。

1. 吠える理由を知ろう：原因は「不安」と「退屈」

まず、犬が留守番中に吠えるのはなぜかを知ることが大切です。主な原因は以下の通りです。

原因を見極めることが、的確な対策への第一歩です。愛犬の様子を留守中にスマートカメラなどで観察するのも効果的です。吠え始めるタイミングや、何に反応しているかを把握できます。

もし吠えの原因が「退屈」にある場合、ひとり遊びができる環境を整えることが非常に重要です。愛犬の暇つぶしになり、心を満たしてくれるアイテムを取り入れましょう。

特におすすめなのが、以下のような知育トイや長時間遊べるおやつです。

コング： フードやペーストを詰めて与えることで、犬が中のものを出すために頭を使い、長く集中して遊べる定番トイです。時間をかけて食事をすることもできます。
噛んで遊べる骨型トイ： 耐久性のあるゴム製やナイロン製のおもちゃは、噛む欲求を満たし、ストレス解消にも役立ちます。歯の健康維持にも繋がります。
おもちゃのローテーション： 毎日同じおもちゃでは飽きてしまうことがあります。数種類のおもちゃを用意し、日替わりで出すことで、常に新鮮な気持ちで遊ばせることができます。

さらに、これらの特別なおもちゃは「留守番のときだけ」出すことで、愛犬に特別感を持たせ、「留守番＝楽しいことがある」というポジティブな印象を与えましょう。これにより、留守番に対する抵抗感を減らすことができます。

分離不安が原因の場合は、愛犬が物理的にも精神的にも安心できる空間と、落ち着いた音環境の両方を整えることが効果的です。

ハウスやクレートで安心感を： 犬は本来、狭くて囲まれた場所が落ち着ける動物です。自分のにおいがついたベッドや毛布を入れたハウス（もしくはクレート）を留守番中の“避難所”にしましょう。ここが愛犬にとって安全で守られた場所だと認識させることで、ストレスが軽減されます。
音の工夫： 静まり返った部屋にいると、犬は外の些細な音にも過敏になり、それが吠えに繋がることがあります。テレビやラジオ、ヒーリングミュージック、あるいは環境音のBGMなどを小さく流しておくことで、「いつもの生活音」が再現され、安心感につながります。これにより、外からの突然の音に驚くことを防ぐ効果もあります。
外の視界を遮る： 通行人や車、自転車、他の犬などに反応して吠える場合は、カーテンを閉めたり、目隠しをしたりして外の刺激を遮断しましょう。窓の外に興奮材料があると、警戒心が強くなり、吠えがエスカレートするため要注意です。

吠えを根本的に減らすには、犬に「ひとりでいても大丈夫」と感じさせる経験を積ませることが欠かせません。これは段階的なトレーニングが重要です。

まずは数分から： 最初は玄関の外に出る、トイレにこもるなど、数分間の「プチお留守番」を実践しましょう。愛犬が落ち着いて待てたら、静かに戻ってきて、オーバーに褒めないのがコツです。あくまで「特別なことじゃない」と覚えさせます。静かに戻り、数分後に声をかけるなど、あくまで日常の一部として接しましょう。
成功体験の積み重ね： 短時間で成功したら、時間を10分、30分、1時間と少しずつ伸ばしながら、成功体験を積ませることが大切です。飼い主の不安や焦りは犬にも伝わるので、「大丈夫、大丈夫」という気持ちで、落ち着いて接することが成功への鍵です。

愛犬が吠えているときにすぐ戻ってなだめたり、声をかけたりすると、「吠えれば飼い主が帰ってきてくれる、あるいは構ってくれる」と学習してしまいます。この誤学習を防ぐために、心苦しくても、吠えには反応しない＝無視するのが基本ルールです。

その代わり、静かに待てたときにはしっかり褒めることで、望ましい行動を強化できます。「静かにしていれば良いことがある」と愛犬に理解させることが、吠えの行動を減らす上で非常に効果的です。

愛犬が安心して留守番できるようになるには、吠える原因を正しく理解し、環境・刺激・習慣を整えてあげることがカギです。

知育トイや音の工夫で「退屈」を減らし、ハウスや段階的なトレーニングで「不安」を和らげる。これらを少しずつ積み重ねることで、愛犬にとって留守番が「怖くないもの」へと変わっていきます。

飼い主が少しずつ準備を重ねてあげれば、きっと愛犬も変わっていくはずです。今日からできる対策を始めて、愛犬との信頼関係をさらに深め、穏やかな留守番時間を実現しましょう。