【危険な食べ物リスト】愛犬に絶対に与えてはいけない食品20選!中毒症状と誤食時の対処法

「人間の食べ物って、犬にあげちゃダメなの?」「うっかり床に落としちゃったけど大丈夫かな…」と、愛犬に人間の食べ物を与えることについて、疑問や不安を感じる新米飼い主さんは少なくありません。可愛らしい愛犬の「おねだり」に負けて、ついつい人間の食べ物を与えてしまいたくなる気持ちはよく分かります。しかし、人間にとっては安全な食品でも、犬にとっては命に関わるほどの毒性を持つものも少なくありません。
犬と人間では体の仕組みや消化能力が異なるため、知らずに与えた食べ物が愛犬の体調を崩したり、重篤な中毒症状を引き起こしたり、最悪の場合には命を奪ってしまうこともあります。愛犬を危険から守るためには、飼い主さんが正しい知識を持ち、与えてはいけない食品を徹底的に把握しておくことが何よりも重要です。
この記事では、愛犬を飼い始めたばかりの飼い主さん向けに、犬に絶対に与えてはいけない食品を具体的にリストアップし、それぞれの食品が引き起こす可能性のある中毒症状、そして万が一愛犬が誤食してしまった場合の緊急対処法と予防策を詳しく解説します。愛犬の健康と安全を守るために、今日からできることを実践していきましょう。
犬に絶対に与えてはいけない危険な食品20選
ここに挙げる食品は、犬に中毒症状を引き起こす可能性のある代表的なものです。これらの食品は絶対に愛犬に与えないでください。
1. ネギ類(玉ねぎ、長ねぎ、にんにく、ニラなど)
- 有害成分: アリルプロピルジスルフィドなど
- 中毒症状: 赤血球を破壊し、貧血(溶血性貧血)を引き起こします。元気がなくなる、嘔吐、下痢、血尿、黄疸などの症状が現れます。加熱しても毒性は消えません。ハンバーグやシチューなど、ネギ類が調理されているものにも注意が必要です。
2. チョコレート、カカオ製品
- 有害成分: テオブロミン
- 中毒症状: 嘔吐、下痢、興奮、頻脈、震え、痙攣、不整脈など。重度の場合、心臓発作や死に至ることもあります。カカオ含有量が高いほど毒性が強く、少量の摂取でも危険です。
3. ブドウ、レーズン
- 有害成分: 不明(犬の腎臓に影響を与える)
- 中毒症状: 嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛、脱水、急性腎不全など。少量でも重篤な症状を引き起こすことがあり、非常に危険です。
4. キシリトール(ガム、歯磨き粉など)
- 有害成分: キシリトール
- 中毒症状: 血糖値の急激な低下(低血糖)、嘔吐、脱力、痙攣、肝機能障害。犬は人間よりもキシリトールに対する感受性が非常に高く、少量でも重篤な症状を引き起こします。
5. アボカド
- 有害成分: ペルシン(特に葉、茎、皮、種)
- 中毒症状: 嘔吐、下痢、呼吸困難、むくみ(心筋障害による)。特に鳥類には強く作用しますが、犬にも症状が出ることがあります。
6. マカダミアナッツ
- 有害成分: 不明
- 中毒症状: 後ろ足の麻痺、関節の痛み、震え、発熱、嘔吐、脱力など。
7. アルコール(酒類、調理酒など)
- 有害成分: エタノール
- 中毒症状: 嘔吐、下痢、ふらつき、運動失調、低体温、意識障害、呼吸抑制など。犬はアルコールの分解能力が低く、少量でも酔っぱらってしまい、重篤な中毒を引き起こします。
8. コーヒー、紅茶、エナジードリンク(カフェイン含有飲料)
- 有害成分: カフェイン
- 中毒症状: 興奮、頻脈、震え、不整脈、痙攣、嘔吐、下痢など。人間よりもカフェインに対する感受性が高いため、少量でも危険です。
9. 香辛料、刺激の強い食品(唐辛子、ワサビなど)
- 有害成分: カプサイシンなど
- 中毒症状: 胃腸炎、嘔吐、下痢、口や喉の痛み、興奮、脱水。
10. 人間用の薬(特に痛み止め、風邪薬など)
- 有害成分: アセトアミノフェン、イブプロフェンなど
- 中毒症状: 肝臓・腎臓機能障害、消化器潰瘍、貧血、呼吸困難など。人間用と犬用では成分や量が全く異なるため、絶対に与えてはいけません。
11. 硬い骨、鶏の骨(加熱したもの)
- 危険性: 加熱すると硬く、砕けやすくなり、口内や消化管を傷つけたり、消化管に詰まったりする危険があります。生骨であれば比較的安全な場合もありますが、与える際は注意が必要です。
12. 生の豚肉、生鶏肉(※不適切な保存状態の場合)
- 危険性: 細菌(サルモネラ菌、O-157など)や寄生虫(トキソプラズマなど)感染のリスクがあります。新鮮なものを適切に処理すれば安全な場合もありますが、リスクを避けるなら加熱調理が安心です。
13. 甲殻類(エビ、カニなど)
- 危険性: 消化不良を起こしやすい、甲殻類の殻が喉や消化管に刺さる危険性があります。アレルギーの原因となることもあります。
14. イカ、タコ
- 危険性: 消化しにくく、嘔吐や下痢の原因となることがあります。生のイカには「チアミナーゼ」というビタミンB1を分解する酵素が含まれており、大量に摂取するとビタミンB1欠乏症を引き起こす可能性があります。
15. ソバ
- 危険性: ソバアレルギーを持つ犬もおり、アナフィラキシーショック(重度のアレルギー反応)を引き起こす可能性があります。
16. 銀杏(ぎんなん)
- 有害成分: ギンコール酸、メチルピリドキシンなど
- 中毒症状: 嘔吐、下痢、痙攣、呼吸困難など。
17. ナツメグ
- 有害成分: ミリスチシン
- 中毒症状: 幻覚、興奮、心拍数増加、意識障害など。
18. 塩分、油分の多い人間用加工食品
- 危険性: 高塩分は腎臓や心臓に負担をかけ、高油分は膵炎や肥満の原因となります。ハム、ソーセージ、チーズ、スナック菓子などは与えないようにしましょう。
19. 生の卵白
- 有害成分: アビジン(ビオチンを阻害)
- 危険性: 大量に継続的に摂取するとビオチン欠乏症(皮膚炎、脱毛など)を引き起こす可能性があります。加熱すればアビジンは不活性化されます。
20. 生のじゃがいもの芽や緑色の部分
- 有害成分: ソラニン
- 中毒症状: 嘔吐、下痢、神経症状(ふらつき、麻痺)など。
万が一、愛犬が危険な食品を誤食してしまった時の対処法
愛犬が上記のような危険な食品を誤食してしまった場合、慌てずに冷静に対応することが重要です。
1. 食べたものと量を正確に把握する
- 何を(製品名も)、どれくらいの量を、いつ頃食べたのかを正確に把握しましょう。パッケージや残骸も捨てずに保管してください。
2. すぐに動物病院に連絡する
- 自己判断で吐かせようとしない: 誤食したものによっては、無理に吐かせるとさらに危険な場合(鋭利なもの、酸やアルカリ性のものなど)があります。また、吐かせる処置は獣医師しか行えません。
- 電話で正確な情報を伝える: 愛犬の種類、体重、食べたもの、量、時間、現在の症状(元気がない、吐いている、震えているなど)を簡潔に伝えましょう。
3. 獣医師の指示に従う
- 獣医師は、食べたものの種類と量、愛犬の体重、現在の症状から緊急性を判断し、指示を出してくれます。「すぐに来てください」と言われたら、迷わず向かいましょう。
- 来院を指示された場合は、誤食したもののパッケージや残骸、吐いたものなど、獣医師が診断に役立つものがあれば持参しましょう。
4. 愛犬の様子を注意深く観察する
- 動物病院に向かう間も、愛犬の呼吸や意識レベル、嘔吐・下痢の有無などを注意深く観察し、異変があればすぐに獣医師に伝えましょう。
まとめ
愛犬を危険から守るために、正しい知識と予防を
愛犬にとって、人間の食べ物の中には命に関わる危険なものが数多く存在します。愛犬を危険から守るためには、飼い主さんがこれらの食品を正確に把握し、絶対に与えないという強い意識を持つことが何よりも重要です。
テーブルやキッチンの周りに危険な食品を放置しない、ゴミ箱を犬が開けられないようにする、人間の食べ物を与えない習慣を徹底するなど、日頃からの予防策を徹底しましょう。もし万が一愛犬が危険な食品を誤食してしまった場合は、慌てずにすぐに動物病院に連絡し、獣医師の指示に従うことが、愛犬の命を救う最善の行動です。愛犬の健康と安全は、飼い主さんの知識と日々の注意から守られます。