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【犬の消化器疾患を知る】慢性的な嘔吐や下痢、食欲不振…IBDなど原因と治療の選択肢

「愛犬が最近よく吐くようになった…」「下痢が続いて食欲もないけど、どうすればいいの?」と、愛犬の慢性的な消化器症状に悩む新米飼い主さんは少なくありません。単なる食べ過ぎや一時的な体調不良であれば良いのですが、嘔吐や下痢、食欲不振が長引く場合は、何らかの消化器疾患が隠れている可能性があり、特に注意が必要です。

犬の消化器疾患は、一時的なものから、炎症性腸疾患(IBD)のように長期的な管理が必要なものまで多岐にわたります。症状を放置すると、栄養失調、脱水、体重減少など、全身の健康状態に悪影響を及ぼし、愛犬の生活の質(QOL)を著しく低下させます。飼い主さんが愛犬の症状を注意深く観察し、適切なタイミングで動物病院を受診することが、愛犬の命と快適な毎日を守る上で非常に重要です。

この記事では、愛犬を飼い始めたばかりの飼い主さん向けに、犬の消化器系の仕組み、慢性的な嘔吐や下痢、食欲不振などの主な症状、そして炎症性腸疾患(IBD)を含む消化器疾患の考えられる原因を解説します。動物病院での診断・治療法(食事療法、投薬など)、そして自宅でできる愛犬の消化器ケアと予防策について詳しく紹介します。愛犬の消化器の健康を守り、快適な毎日を過ごせるようサポートしていきましょう。

犬の消化器疾患:代表的な症状と見分け方

犬の消化器疾患の症状は様々ですが、主に「嘔吐」「下痢」「食欲不振」が中心となります。これらの症状の「質」や「頻度」を観察することが重要です。

1. 消化器疾患の主な症状

  • 嘔吐:
    • 頻度: 毎日、または週に数回など、頻繁に吐く。
    • 内容物: 未消化のフード、消化されたフード、黄色い液体(胆汁)、泡、血が混じるなど。
    • タイミング: 食後すぐ、食間、早朝など。
    • 吐き方: 咳き込むように吐く(咳と区別)、お腹に力を入れて吐くなど。
  • 下痢:
    • 便の形状: 泥状、水様便、軟便。
    • 便の色: 緑色、黒色(タール便)、白色など。
    • 異物の混入: 粘液、血液(鮮血、ゼリー状)、未消化物など。
    • 排便回数: 普段より回数が多い。
    • しぶり: 何度も排便姿勢をとるが、少ししか出ない。
  • 食欲不振:
    • フードを全く食べない、食べる量が減った。
    • フードに興味を示さない、選り好みする。
    • 水は飲むが、フードは食べない。
  • その他の症状:
    • 体重減少: 消化吸収不良による。
    • 腹痛: お腹を触られるのを嫌がる、お腹を丸める、震える。
    • 元気消失、活動性の低下: ぐったりしている、遊びたがらない。
    • 腹部の異音: グルグルとお腹が鳴る。

注意点: 一時的な嘔吐や下痢は、食べ過ぎ、ストレス、環境の変化などでも起こります。しかし、**症状が24時間以上続く、頻繁に繰り返す、元気がない、脱水している、血便が見られる**場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

犬の消化器疾患の主な原因

慢性的な消化器症状は、様々な原因で引き起こされます。

1. 消化管自体の問題

  • 炎症性腸疾患(IBD: Inflammatory Bowel Disease):
    • 病気の内容: 消化管(胃、小腸、大腸など)の粘膜に慢性的な炎症が起こる病気です。免疫システムの異常や食物アレルギーなどが関与すると考えられています。
    • 症状: 慢性的な嘔吐、下痢、食欲不振、体重減少などが主な症状です。特定の部位に炎症が起こると、小腸性下痢(量が多く、回数が少ない)や大腸性下痢(量少なく、回数が多い、粘液や鮮血が混じる、しぶり)など、症状の現れ方が異なります。
    • 診断: 確定診断には、消化管の組織生検(内視鏡検査など)が必要です。
  • 食物アレルギー・食物不耐性:
    • 特定のフード成分(タンパク質、炭水化物など)に対するアレルギー反応や、消化吸収がうまくいかない場合に起こります。
  • 腸内細菌叢の異常(SIBOなど):
    • 腸内の細菌バランスが崩れることで、消化吸収不良や炎症を引き起こすことがあります。
  • 消化管内寄生虫:
    • 回虫、鉤虫、鞭虫、ジアルジア、コクシジウムなど、様々な寄生虫が嘔吐や下痢の原因となります。
  • 消化管腫瘍:
    • 胃や腸にできた腫瘍が、消化器症状を引き起こすことがあります。特に高齢犬で注意が必要です。
  • 誤飲・誤食:
    • 異物を飲み込んで消化管が詰まったり、毒性のあるものを食べたりした場合。

2. 消化管以外の臓器の問題

  • 膵炎:
    • 膵臓の炎症で、激しい嘔吐、腹痛、食欲不振などが起こります。重症化すると命に関わります。
  • 肝臓病:
    • 肝機能が低下すると、嘔吐、食欲不振、黄疸などが見られることがあります。
  • 腎臓病:
    • 腎臓の機能が低下すると、体内に老廃物が蓄積し、嘔吐や食欲不振を引き起こすことがあります。
  • 内分泌疾患:
    • 甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)など、ホルモンバランスの異常が消化器症状の原因となることもあります。

動物病院での診断と治療の選択肢

愛犬の消化器疾患の診断と治療は、原因を特定するために専門的な検査が必要となります。

1. 診断方法

獣医師は、問診(症状の詳細、食事歴など)や視診、触診(腹部の痛みなど)を行った後、以下の検査を組み合わせて行います。

  • 便検査: 寄生虫、細菌、血液の有無などを確認します。
  • 血液検査: 全身状態、臓器機能(肝臓、腎臓、膵臓など)、炎症の有無などを確認します。特定の消化器疾患を示すバイオマーカー(PLI、TLI、B12、葉酸など)を測定することもあります。
  • レントゲン検査: 異物の有無、腸閉塞、腹水の有無などを確認します。
  • 超音波検査: 消化管の厚みや構造、膵臓、肝臓など他の臓器の状態を詳細に確認します。
  • 食物アレルギー除去食試験: 食物アレルギーが疑われる場合、新しいタンパク源や加水分解されたタンパク質を一定期間(8〜12週間)与え、症状の変化を確認します。
  • 内視鏡検査と生検: 胃や腸の内部を直接観察し、組織の一部を採取して病理組織検査を行います。IBDの確定診断には必須の検査です。

2. 治療の選択肢

診断結果に基づいて、獣医師が最適な治療法を提案します。原因によって治療法は大きく異なります。

  • 対症療法:
    • 脱水している場合は輸液、嘔吐や下痢を抑える薬、整腸剤などが処方されます。
    • 感染症が原因の場合は抗生剤や駆虫薬。
  • 食事療法:
    • 消化器サポート食: 消化しやすいように調整された療法食。
    • 食物アレルギー対応食: アレルゲンを含まない、または加水分解されたタンパク質を含む療法食。
    • 低脂肪食: 膵炎などの場合に。
    • 高繊維食: 便秘や大腸の炎症がある場合に。
  • 投薬:
    • ステロイドなどの免疫抑制剤: IBDのような炎症性疾患に。
    • プロバイオティクス・プレバイオティクス: 腸内環境の改善に。
    • ビタミンB12など: 消化吸収不良で欠乏している場合に補充。
  • 外科手術:
    • 消化管内の異物や腫瘍など、外科的処置が必要な場合に。

愛犬の消化器の健康を守るための自宅ケアと予防策

慢性的な消化器症状を抱える愛犬のケアには、飼い主の日頃の取り組みが非常に重要です。

1. 食事管理の徹底

  • 療法食の厳守: 獣医師から療法食を指示された場合、そのフード以外のものは一切与えないようにしましょう。少量のおやつや人間の食べ物でも症状が悪化することがあります。
  • 食事回数と量の調整: 一度に与える量を減らし、回数を増やすことで、消化器への負担を軽減できることがあります。
  • 急なフード変更を避ける: フードを切り替える際は、既存のフードに新しいフードを少しずつ混ぜながら、時間をかけて徐々に行いましょう。
  • 清潔な器: フードボウルや水飲みボウルは常に清潔に保ち、細菌の繁殖を防ぎましょう。

2. 水分摂取の確保

  • 脱水を防ぐため、いつでも新鮮な水が飲めるように複数箇所に水飲み場を設置する、水をこまめに替えるなどの工夫をしましょう。

3. ストレス軽減と安心できる環境

  • ストレスは消化器症状を悪化させる要因となることがあります。愛犬が安心して過ごせる静かで快適な環境を整えましょう。
  • 規則正しい生活リズムを心がけることも重要です。

4. 便や嘔吐物の観察と記録

  • 毎日の観察: 便の色、形状、量、回数、嘔吐の有無、内容物などを毎日注意深く観察し、異常があれば記録しておきましょう。写真に撮っておくと、獣医師への説明に役立ちます。
  • 記録の習慣化: 症状の変化や治療効果を判断するために、これらの記録は非常に重要です。

5. 定期的な健康チェックと検便

  • 特に慢性的な症状を抱える愛犬は、定期的に動物病院で検診を受け、病気の進行度や投薬の効果を確認することが重要です。
  • 定期的な検便で、寄生虫の有無を確認することも大切です。

まとめ

愛犬の消化器症状は早期受診と適切な管理で改善可能

愛犬の慢性的な嘔吐や下痢、食欲不振は、単なる一時的なものではなく、炎症性腸疾患(IBD)をはじめとする様々な消化器疾患のサインである可能性があります。これらの症状を放置すると、愛犬の健康と生活の質を著しく損ねてしまうため、飼い主さんが早期に異変に気づき、動物病院を受診することが非常に重要です。

獣医師による正確な診断のもと、適切な食事療法と投薬治療を継続し、自宅でのきめ細やかなケアを行うことで、多くの消化器疾患は管理可能であり、愛犬は快適な毎日を送ることができます。日々の観察と記録を習慣化し、愛犬の消化器の健康を守るための最善を尽くしましょう。

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