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【犬の糖尿病を管理する】インスリン注射から食事療法、合併症予防まで飼い主ができること

「愛犬が最近、異常なほど水を飲むようになった…」「おしっこの量も回数も増えて、急に痩せてきた気がするけど、これって何かの病気?」と、愛犬の飲水量や排尿量の急激な変化に気づいても、まさか糖尿病だとは思い至らない新米飼い主さんは少なくありません。しかし、これらのサインは、犬の糖尿病の典型的な初期症状であり、特に注意が必要です。

犬の糖尿病は、体内で血糖値を調節するホルモンである「インスリン」が不足したり、インスリンがうまく働かなくなったりすることで、血液中の糖分(血糖値)が慢性的に高くなる病気です。放置すると、視力障害(白内障)、神経障害、腎臓病、感染症など様々な合併症を引き起こし、最終的には命に関わることもあります。しかし、早期に発見し、適切な治療と日々の管理を行うことで、愛犬は快適な生活を長く送ることができます。飼い主さんが糖尿病に関する正しい知識を持ち、日々のケアを実践することが非常に重要です。

この記事では、愛犬を飼い始めたばかりの飼い主さん向けに、犬の糖尿病のメカニズム、初期段階で現れるサインの見つけ方、そして早期発見・早期治療の重要性を解説します。動物病院での診断・治療法(インスリン注射、食事療法など)、そして自宅で飼い主ができる具体的なケア方法、合併症予防、日常生活での注意点について詳しく紹介します。愛犬と長く健康な毎日を送るために、今日からできることを実践していきましょう。

犬の糖尿病とは?主な症状と見分け方

犬の糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足したり、働きが悪くなったりすることで、血液中のブドウ糖(血糖)が細胞に取り込まれず、血糖値が高くなる病気です。犬の糖尿病のほとんどは、インスリン分泌不足による「インスリン依存性糖尿病(I型)」です。

1. 糖尿病の主な症状(「多飲多尿」が典型)

糖尿病の代表的な症状は「多飲多尿」と「体重減少」です。

  • 多飲多尿(水をたくさん飲み、おしっこの量が増える):
    • 高すぎる血糖値を下げようと、体内の余分な糖分を尿として排出しようとするため、たくさん水を飲み、おしっこの量も増えます。
    • 夜中にトイレに起きるようになる、留守番中に粗相が増えるなどの変化に気づいたら注意が必要です。
  • 体重減少(食べているのに痩せる):
    • 体が糖分をエネルギーとして利用できず、代わりに脂肪や筋肉を分解してエネルギーにしようとするため、食欲があるにもかかわらず痩せていきます。
  • 多食(異常に食欲が増す):
    • 体がエネルギー不足を感じ、常に空腹状態となるため、普段よりも食べる量が増えることがあります。しかし、痩せていくのが特徴です。
  • 元気がない、疲れやすい:
    • エネルギーが不足するため、活動量が低下し、ぐったりすることが増えます。

2. 症状が進行した場合のサイン

これらの症状が現れた時は、糖尿病がかなり進行している可能性があります。すぐに動物病院を受診しましょう。

  • 白内障: 糖尿病の犬に非常に多く見られる合併症です。目の水晶体が白く濁り、視力が低下します。急速に進行することがあります。
  • ふらつき、運動失調、神経症状: 高血糖が神経に影響を与えることで、後肢の弱りや足の付け根のふらつきなどが見られることがあります。
  • 脱水症状: 多尿による脱水。
  • 食欲不振、嘔吐、腹痛: 糖尿病性ケトアシドーシスという重篤な合併症のサインである可能性があります。体内の脂肪が分解され、ケトン体が異常に増えることで起こり、緊急治療が必要です。

動物病院での診断と治療の選択肢

愛犬の糖尿病の診断と治療は、早期の適切な対応が非常に重要です。

1. 診断方法

獣医師は、問診(症状の詳細)や視診、触診を行った後、以下の検査を行います。

  • 尿検査:
    • 尿中に糖(尿糖)やケトン体が出ているかを確認します。糖尿病の診断に欠かせない検査です。
  • 血液検査:
    • 血糖値: 空腹時血糖値が高いかを確認します。
    • フルクトサミン: 過去1〜2週間の平均血糖値を反映する数値で、ストレスによる一時的な高血糖と糖尿病を区別するのに役立ちます。
    • その他: 肝臓、腎臓の機能や、膵炎の有無なども確認します。

2. 治療の選択肢

犬の糖尿病の治療は、インスリン注射、食事療法、適切な体重管理が三本柱となります。完治は難しいですが、適切に管理することで、合併症を防ぎ、愛犬が快適に過ごせるようになります。

  • インスリン注射:
    • 犬の糖尿病の多くはインスリンが絶対的に不足しているため、多くの場合、インスリン注射が不可欠です。
    • 飼い主が自宅で毎日、決まった時間に皮下注射を行います。獣医師から正しい注射の方法と量を指導してもらいます。
  • 食事療法:
    • 糖尿病の管理に特化した「療法食」を使用します。
    • 食物繊維を多く含む低GI(グリセミック指数)のフード: 血糖値の急激な上昇を抑え、血糖コントロールを助けます。
    • 高品質のタンパク質: 筋肉量を維持するために必要です。
    • 厳密な食事時間の管理: インスリン注射の時間に合わせて、毎日同じ時間に同じ量のフードを与えます。
  • 適切な体重管理:
    • 肥満はインスリンの効きを悪くするため、適正体重を維持することが非常に重要です。肥満の場合はダイエットが必要です。
  • 運動療法:
    • 適度な運動は血糖値を下げる効果がありますが、過度な運動は低血糖を引き起こす可能性もあるため、獣医師と相談しながら行いましょう。
  • 定期的な血糖値チェック:
    • 自宅で簡易血糖測定器を使って血糖値を測ったり、動物病院で定期的に血液検査を受けたりして、血糖コントロールの状態を把握します。

愛犬の糖尿病管理:飼い主ができる自宅ケア

犬の糖尿病管理は、飼い主の日々の献身的なケアが不可欠です。

1. インスリン注射の正しい実施

  • 正確な量と時間: 獣医師から指導されたインスリンの量と注射時間を厳守しましょう。毎日同じ時間に、同じ量を与えることが血糖コントロールの基本です。
  • 注射部位のローテーション: 毎回同じ場所に注射せず、背中や脇腹など、様々な部位に分散して注射しましょう。
  • 針と注射器の管理: 使用済みの針と注射器は、獣医師の指示に従って適切に廃棄しましょう。

2. 厳密な食事管理

  • 療法食のみを与える: 獣医師から指示された糖尿病用の療法食以外は、一切与えないようにしましょう。おやつや人間の食べ物も血糖値を急激に上げてしまうため厳禁です。
  • 食事の時間を守る: インスリン注射と食事のタイミングが重要です。毎日決まった時間に食事を与えましょう。

3. 飲水量と排尿量の記録

  • 毎日、愛犬がどれくらいの水を飲んだか、どのくらいおしっこをしたかを記録しましょう。これは血糖コントロールの目安になります。

4. 体重の管理

  • 定期的に体重を測定し、記録しましょう。体重の急激な変化は、血糖コントロールがうまくいっていないサインかもしれません。

5. 散歩や運動の管理

  • 毎日同じくらいの運動量を心がけましょう。運動量が大きく変わると、血糖値の変動に影響を与えることがあります。

6. 合併症の早期発見と予防

  • 白内障のチェック: 目の濁りがないか毎日チェックし、少しでも異変があれば動物病院を受診しましょう。
  • 感染症の予防: 高血糖状態の犬は感染症にかかりやすいため、口腔ケア(歯周病予防)や皮膚の清潔維持を心がけましょう。
  • 「元気がない」「嘔吐」「食欲不振」は要注意: これらの症状は、糖尿病性ケトアシドーシスなど、命に関わる重篤な合併症のサインである可能性があります。すぐに動物病院に連絡してください。

7. 定期的な動物病院でのチェック

  • 獣医師との連携を密にし、定期的に受診して血糖コントロールの状態を確認し、必要に応じて治療計画を調整してもらいましょう。

まとめ

犬の糖尿病は飼い主のきめ細やかなケアで管理可能

愛犬が糖尿病と診断されると、インスリン注射や厳密な食事管理など、飼い主さんの負担は決して小さくありません。しかし、糖尿病は適切な治療と日々の献身的なケアを行うことで、愛犬が合併症に苦しむことなく、長く快適な生活を送ることができる病気です。

「多飲多尿」「体重減少」といった初期症状を見逃さず、早期に動物病院を受診することが何よりも重要です。そして、獣医師の指示に従ったインスリン注射と食事療法、適切な体重管理を毎日続けることで、愛犬は血糖値を安定させ、糖尿病と上手に付き合っていくことができるでしょう。愛犬のために、根気強く日々のケアを実践していきましょう。

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